和装と日本髪への思い、いろいろ。
2018年4月に、八芳園で結婚式を挙げた。
結婚式を行う上でベースとなるわたしの要望は、「白無垢と綿帽子」だった。チャペルでの挙式は、自分がキリスト教徒じゃないこと、誓いのキスをしたくないことなどから、考慮に入れていなかった。「日本人らしい美しさでありたい」という理由で漠然と和装への憧れはあったかもしれない。
白無垢を着るならば、絶対に日本髪、しかも地毛結いという思いがあった。変なところが頑固で、正当以外を認めたくない性格のせいだ。それは「キリシタンでもないのに、神父の前で式あげるのって、どうなの」とも通底する。
ただ、本物の日本髪は、鬢付け油をつけて結うもので、鬢付け油をつけるとしばらくは髪がベタベタで、当然お色直しはできない。それどころか日常生活に支障が出る。
婚礼の際の、最も格式が高い日本髪[文金高島田]を再現するには、カツラを着用するしかない。当初は、カツラを着用するつもりだったが、試着してどうしても受け入れることができなかった。自分に合ったサイズ感、形のカツラを選ぶことができれば、自然な仕上がりになるのかもしれないが、私の場合はおでこが狭くなり、生え際は不自然だった。
だから私は「新日本髪」にすることにした。これは、ワックスや毛流れだけで日本髪を再現するというもの。正当ではない、というジレンマはあったけれど、試してみると自然で、恥ずかしさがない。
かくして和装に新日本髪というスタイルを選んだ。
実際に当日を迎えてみて。
美容スタッフ、介添の方、司会の方、ゲストの皆様からたくさんのお褒めの言葉をいただいた。我ながらとても似合っていたと思う。とりわけ、白無垢のとき、綿帽子から垣間見える鬢(びん:顔の横の髪)と富士額は美しいと思った。
日本髪が似合う顔立ちの特徴は、おでこが広いこと、鼻すじが通っていること、なのだと思う。面長または卵型がいいとも言うようだけど、私は丸顔なのでその点はよく分からない。
メイクの特徴としては、アイシャドーにゴールドを入れて華やかに、アイラインは切れ長に、リップは赤く濃い色味、だった。
挙式を控える方で、ヘアスタイル打ち合わせで日本髪を試すと、似合わなさに愕然とする人もいると思う。
美容スタッフの方は、「実際に和装を着ると似合う」と必ず言うけれど、それは本当。
私は新日本髪にしたけれど、和装を着てみてカツラでも良かったのかも?とチラと思った。ただ、綿帽子をとったあとの姿は、絶対に地毛で結う新日本髪のほうが自然で、綺麗だと思う。
新日本髪は正当じゃないよな、というジレンマは自分の姿を見て、払拭された。洋髪より、多分カツラより、ずっと美しいと思ったから。
自分が日本髪にすると決めたとき、いろいろ悩んで調べたから、同じように悩む人に届けばいいなと思って記します。
〜余談〜
本当は神社での挙式を希望していたけど、諸般の事情により八芳園にて和婚先(和装で行う人前式)を行った。
八芳園の和婚式、とてもおすすめです。
人前式の魅力だと思うけど、とにかくハートフル。夫とも直接関わりのない夫側上司が涙するほど、強固な神前式支持派だった私が掌返しするほど、本当に八芳園の和婚式で良かった。ハートフルな結婚式を行うことができました。