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お茶の水女子大学トランスジェンダー学生の受入れについて〜2018年7月10日会見での学長の説明

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こちらの動画の11:30〜23:06までのお茶の水女子大学室伏学長からの説明を以下に書き起こしました。

 

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本日はお忙しい中、お茶の水女子大学の記者会見へ足をお運びいただきまして誠にありがとうございます。座ったままでお話させていただきます。
最初に、この度西日本を中心に甚大な被害をもたらしました豪雨によって被害にあわれた皆様に心よりお見舞申し上げます。尊い命を失われた方々とご遺族の皆様に深くお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様のご快復をお祈り申し上げております。また現地にて復旧作業に従事されている方々の安全と、被災地の一日も早い復帰を願っております。本学といたしましても、被災された皆様のお役に立てる方策を現在検討しております。
では、お手元に配付いたしました、トランスジェンダー受入れ決定について、この1枚紙でございますが、まずこれを読み上げさせていただきます。

お茶の水女子大学では、自身の性自認にもとづき、女子大学で学ぶことを希望する人、戸籍上男性であっても性自認が女性であるトランスジェンダー学生を受け入れることを決定しました。
これは、「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する」という国立大学法人としての本学のミッション、これは2004年に制定したものでございますけれども、それに基づき、判断したものでございます。
本学では、今回の決定を多様性を包摂する女子大学と社会の創出にむけた取組というふうに位置づけておりまして、今後、固定的な性別意識に捉われず、ひとりひとりが人間としてその個性と能力を十分に発揮し、多様な女性があらゆる分野に参画できる社会の実現につながっていくことを期待しています。
本年より受入れのための施設整備などの準備を進め、2020年度の学部および大学院の入学者から受入れを実施することとします。
広く皆様のご理解をお願い申し上げます。

次に受け入れ決定にいたりました経緯と理由について、ご説明させていただきます。
本学では、社会からの要請や、当事者と見られる方々からの問い合わせがあったことなどから2016年よりトランスジェンダーの受け入れについて検討をはじめました。そして2017年7月に本格的にWGを設置しまして、検討を重ねてまいりました。その間先ほどの資料にありましたように、2017年9月には学術会議から性自認が女性の方が女子大学で学ぶ権利についての提言もなされました。また、海外では2014年に米国の名門女子大学であるミルズ大学、マウント・ホリヨーク大学が、また2015年に入ってからは、ブリン・モアー大学、ウェルズリー大学、バーナード大学、スミス大学が、入学を希望する受験生の対象に、女性であるという自己認識を持つトランスジェンダーの人々を含めるという決定をして、トランスジェンダー学生を受け入れております。
お茶の水女子大学は、142年を超える歴史の中で、卓越した女性研究者、女性教育者、そして、様々な社会の分野で活躍する優れた女性を育て、社会へと送り出してまいりました。女性が活躍できる場の拡大につきましては、はるか以前の社会と比べますと、格段に進歩してはおりますけれど、それでもまだ、女性が職業人として、活躍することが困難であることは、皆様もよくご承知のことと存じます。その現状を変え、女性たちが、差別を偏見を受けずに、幸せに暮らせる社会を作るためには、大学という学びの場で、女性たちが自らの価値を認識し、社会に貢献するという確信をもって、前進する精神をはぐくむ、そういった必要があると考えています。そして、それが実現できるのは、女性が旧来の役割意識など、無意識の偏見、最近ではアンコンシャスバイアスという言葉が使われておりますけれども、そういったものから解放されて、自由に活躍できる女子大学であろうと考えております。
本学は、学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在するというミッションを掲げて、すべての女性が、その年齢や国籍等にかかわりなく、個々人の尊厳と権利を保障されて、自身の学びを深化させ、自由に自己の資質能力を開花させることを目指しています。その意味からも、性自認が女性であって、真摯に女子大学で学ぶことを希望する人を受け入れることは、自然の流れであろうと思いますし、またこれからの多様性を包摂する社会への対応としての、当然のことと考えました。
そこで2018年4月に、トランスジェンダーを受け入れる方針を、学内の会議に提示いたしまして、その後、教職員、学生、同窓会、保護者代表によって構成される後援会、経営協議会等に対しまして、説明会や意見交換会等を開催いたしまして、合意形成を進めてまいりました。最終的に6月26日の役員会で、トランスジェンダー学生の2020年度からの受け入れを決定いたしました。
皆様もご存知のように、社会の様々な分野での、性的マイノリティ、LGBTの方々の差別を解消する施策や取り組みが進み、心の性、多様な性が認められる方向に世の中が転換しております。そういった、多様な価値と人々が交錯する社会に出ていく、これからの学生たちにとりまして、お茶の水女子大学が、真摯に学びを求めるすべての女性に門戸を開き、その成長を支援する環境を構築することが、強い力になるということを考えました。本学では、先ほど読み上げさせていただきました文章にありますように、今回の決定を、多様性を包摂する女子大学と社会の創出に向けた取り組みというふうに位置付けておりまして、今後こういった動きが、多様な女性があらゆる分野に参画できる社会の実現につながっていくことを期待しています。
最後に受け入れ方法について説明させていただきます。本学の学則では、入学資格を女子としております。ただ、女子の定義はされておりませんで、これまで問い合わせがあった場合には、戸籍上の性と回答してまいりました。今後は女子の解釈を拡張いたしまして、入学試験における出願資格を、戸籍または性自認が女子の場合といたします。実際には、戸籍の性別と、性自認が異なっている方については、事前に申し出をいただきまして、出願資格を確認するとともに、入学後の学生生活について、あらかじめ様々な情報を提供し、サポートできるようにしたいと考えております。今後、トランスジェンダーの受け入れに関しまして、施設整備などの準備、入学後の学生生活上の配慮や対応が必要と考えており、受け入れ委員会を設置するとともに、対応ガイドラインを作成いたしまして、2020年度の学部及び大学院の入学者から、受け入れを実施することといたします。そして、すべての学生が幸せに、それぞれの夢を実現できること、そしてその夢に向かって努力できるより良い環境を作るために、私たちは力を尽くしていきたいと考えております。
お茶の水女子大学の決定につきまして、皆様のご理解と、ご支援を切にお願いいたします。私からの説明とさせていただきます。